臨床検査科
業務の概要
臨床検査は、患者さまから採取した血液や尿、便、各所の細胞や組織などを調べる「検体検査」と、心電図や呼吸機能、超音波など、患者さまの体を直接調べる「生理検査」の2つに大別されます。検体検査の至急検査においては、40~80分で結果報告を、生理検査の至急依頼では、検査終了後すみやかに結果報告を行っています。
生理検査部門
生理検査室(1F)
患者さまの体を直接検査する生理機能検査を行っています。主な検査としては心電図検査、超音波検査、呼吸機能検査、血圧脈波検査などがあり、その他にも中心フリッカー試験やホルター心電図などさまざまな種類の検査を行っています。
心電図
心臓から出る微弱な電気の状態をチェックして、不整脈の有無や、心筋に傷害がないかどうかなどを検査します。
検査時間:5分程度
超音波検査
超音波検査(エコー検査)は放射線被曝がないため繰り返し行える安全性の高い検査です。
検査を行う部位は多岐にわたり、腹部、心臓、乳腺、頸部や下肢の血管、関節、甲状腺など多種多様ですが、肺や消化管などの空気を含む臓器や、骨に覆われた脳はエコー検査は不向きなため、CTやMRIなどを使い分けて検査します。また、通常の検査以外には、腫瘍や膿瘍から細胞や組織を採取するためのガイドをエコー画像描写で行うことや、治療や手術の介助でエコーを行うこともあります。
呼吸機能検査
喘息や肺気腫等の診断・経過観察のため、肺活量・努力性肺活量・1秒率・呼気中一酸化窒素濃度・呼吸筋力・呼吸抵抗などを測定し、呼吸機能の状態を検査します。
検査時間:検査項目により10分~40分
血圧脈波検査
両手両足の血圧を同時に測定し、動脈硬化度を測定します。
検査時間:5~10分程度
健診フロア(2F)
1Fの生理検査室とは別に、2Fの健診フロアでも生理検査を行っています。
検査項目:心電図・超音波検査・呼吸機能検査・血圧脈波検査・聴力検査・眼底写真・眼圧検査
検体検査部門(2F)
中央検査室
輸血検査
輸血に関わる様々な検査と血液製剤の管理を行っています。主な輸血検査には、血液型検査や不規則抗体検査、交差適合試験(クロスマッチ)などがあります。
血液検査
血液検査は、主に血球数測定、血液細胞分類、凝固機能検査を行っています。医療機器 の発達により様々な検査が自動化されていますが、血液細胞分類での異常細胞検出や鑑別などは、顕微鏡観察など、人の技術を要する場面もまだまだあります。
生化学・免疫検査
生化学・免疫検査では、主に血液を遠心分離して得られる血清を用いて検査を行っており、数多くの項目を迅速に測定できるように工夫しています。また、異常値が出た場合には再検査や主治医への電話連絡も行っています。
一般検査
一般検査では、主に尿検査と便検査を行っています。材料となる尿や便は比較的容易に採取することができ、全身状態を反映するので基礎的な検査として行われています。
血液ガス分析装置
血液中に含まれる酸素や二酸化炭素の量およびpHを測定しています。
微生物検査
感染症が疑われた患者さまより採取された痰や尿、血液等の様々な検体から、原因となる微生物(一般細菌、抗酸菌、ウイルス、真菌、寄生虫等)を検出し、どの薬が有効かを調べます。検査法には顕微鏡検査、培養検査、菌種同定・薬剤感受性試験、遺伝子検査等があります。
至急依頼対応項目には、グラム染色(20分)、抗酸菌染色(60分)、結核菌遺伝子検査(60分)、新型コロナ遺伝子検査(60分)を行っています。
当院で行っている迅速抗原検査
- インフルエンザウイルス(鼻咽頭ぬぐい)
- アデノウイルス(鼻咽頭ぬぐい、角膜擦過など)
- 水痘・帯状疱疹ウイルス(病巣擦過など)
- A群溶連菌(咽頭ぬぐい)
- レジオネラ尿中抗原(尿)
- 肺炎球菌尿中抗原(尿)
- 妊娠反応(尿)
- マイコプラズマ抗体(血清)
- プロカルシトニン(血清)
- HIV抗原・抗体(血清)
- 新型コロナウイルス抗原定性(鼻咽頭ぬぐい)
- ノロウイルス・ロタウイルス(便、嘔吐物等)
病理検査
病理検査には手術や内視鏡などで採取した組織を調べる組織診と、喀痰や尿、胸水、腹水、気管支鏡採取検体などを調べる細胞診の2つに大別されます。
当院では大阪警察病院と病理診療連携を行っており、組織診全般と、細胞診の精査を大阪警察病院で行っていただいております。
チーム医療
臨床検査科スタッフも感染防止対策室や医療安全管理委員の一員としても感染対策のさまざまな活動にも参画しています。